津軽三味線のさわりってどんな音?

津軽三味線の音色の特徴に、「さわり」というものがあります。さわりがあるかないかだけでも、三味線の演奏には大きな違いがあります。

 

これから津軽三味線を始めようという人にはまだわかりにくいかもしれませんが、津軽三味線の演奏を聴いているとさわりがどんなものかわかってきます。ここでは、津軽三味線特有のさわりについて紹介します。

 

津軽三味線の東さわり

 

津軽三味線に限らず、三味線にはさわりという音色を出す機能が備わっています。簡単にいえば、糸を震わせて響かせるのがさわり機能です。

 

微妙に違うかもしれませんが、ヴァイオリンでいえばヴィブラートが近いでしょうか。ヴィブラートのことは忘れて三味線のさわりに戻ると、三味線では3本ある糸のうち、一の糸にさわりがつけられます。

 

一の糸は3本の糸の中で一番太い糸で、だからこそさわりの共鳴音が響きやすいのです。さわりにも種類があり、津軽三味線では東さわりと呼ばれる棹に埋め込んでしまうスタイルのさわりを付けることがあります。

 

東さわりが付いていなくても二の糸や三の糸の押さえどころによって共鳴音を出すことは可能だといいますが、初心者にはあらかじめ東さわりがついていたほうが津軽三味線らしい音が出しやすいでしょう。

 

響きの違い

 

ヴァイオリンなど他の弦楽器にもいえることですが、曲の譜面があっても演奏では弦の操り方によって個性のある音を目指すことが多くなります。

 

特に津軽三味線では、同じ曲でも弾く人によってかなり違って聴こえるもの。それは、さわりの出し方や即興演奏などによってもたらされるものです。

 

共鳴音というのは人の体にもビーンと響くものですから、メロディーなどなくても共鳴音を耳にするだけで感動してしまう人もいます。

 

使い方によっては、さわりの出し方で上手い下手の評価が分かれることもあるでしょう。因みに、山さわりというさわりがついた楽器もあり、こちらは東さわりよりも響きが控えめです。

 

そのため、津軽三味線ならではの強烈な音を出すには、東さわりが付いた楽器を選ぶことが重要なのです。